フォーク(両取り)— 一手で二つを狙う

フォーク(両取り)— 一手で二つを狙う

フォークとは何か

一手で相手の駒を二つ以上、同時に狙う手のことをフォークといいます。日本語では両取りと呼びます。

なぜこれが有効なのかは、手番の仕組みから説明できます。チェスでは、一手のあいだにできることは一つだけです。狙われた駒が二つあれば、相手はどちらか一方しか助けられません。残ったほうは、次の手で取ることができます。

考えかたとしては単純ですが、どの棋力の対局にも現れます。特に多いのがナイトによるフォークです。

ナイトのフォーク

白のナイトが f7 に跳んだところです。ナイトは f7 から h8 と d8 の両方に利くため、赤の王とルークを同時に狙っています。王に利いているので王手でもあります。赤は王手を受けなければならないので、王を動かします。そのあと白は Nxd8 とルークを取ります。このように、王ともう一つの駒を同時に狙う形を、ロイヤルフォークと呼ぶことがあります。

ナイトのフォークが多い理由は、三つあります。

一つめは、ナイトの利きが他の駒と重ならないことです。ルーク、ビショップ、クイーン、ポーンは、たて、よこ、斜めのいずれかに利きます。ナイトだけが、そのどれとも違う跳びかたをします。そのため、他の駒の利きに慣れた目には、ナイトの跳び先が見えにくくなります。

二つめは、ナイトが駒を飛び越えることです。ルークやビショップは、あいだに駒を置けば止められます。ナイトにはそれができないため、防ぐ方法が「跳び先のマスを攻撃できるようにしておく」か「狙われた駒を動かす」かに限られます。

三つめは、ナイトの価値が3と低いことです。5のルークや9のクイーンを狙ったとき、たとえ取り返されたとしても、差し引きでは得になります。

ポーンのフォーク

ポーンによるフォークは、ナイトのフォークよりもさらに見落とされやすいものです。

白のポーンが d5 に進んだところです。ポーンは斜め前の二つのマスに利くため、c6 のナイトと e6 のビショップを同時に狙っています。赤がビショップで Bxd5 と取っても、c4 のポーンが d5 を守っているため取り返されます。したがって赤は、ナイトかビショップのどちらか一方を逃がすしかありません。取りに来るのは価値1のポーンですから、白は差し引きで大きく得をします。

ポーンのフォークが見落とされる理由は、ポーンの進む方向と利く方向が違うことにあります。ポーンはまっすぐ前に進みますが、まっすぐ前には利きません。利くのは斜め前の二つのマスだけです。ポーンを壁のように見ていると、この二つのマスを見落とします。

クイーンとルークのフォーク

クイーンは利きが広いため、二つの駒を同時に狙うこと自体は難しくありません。ただし、実戦で成立するかどうかは別の問題です。

クイーンの価値は9で、盤の上で最も高い駒です。そのため、こちらがクイーンで二つの駒を狙ったとき、相手は狙われた駒を逃がしながら、こちらのクイーンを狙い返すことができます。クイーンは狙われたら逃げなければならないので、結果として攻めが続きません。

したがって、クイーンによるフォークが成立するのは、二つのうち一方が王手になっている場合がほとんどです。王手であれば、相手はまずそれを受けなければならず、狙い返す余裕がありません。ルークのフォークについても、同じことがいえます。

フォークを受けないための駒の並べかた

フォークは、こちらから仕掛けるだけでなく、相手から仕掛けられるものでもあります。防ぐには、駒の並べかたに注意します。

白の王が g1、クイーンが d4 にいます。この二つのマスは、どちらも e2 からナイトの跳びで届く位置にあります。そこへ赤のナイトが跳ぶと、王手とクイーンへの攻撃が同時に成立します。白は王を動かすしかなく、次の手でクイーンを失います。

ここから導かれるのは、価値の高い駒どうしを、ナイト一回の跳びで両方に届く位置に並べない、という指針です。特に王とクイーンの組み合わせには注意が必要です。

その位置関係は、慣れると見て分かるようになります。二つのマスの関係が「斜めに二マス、まっすぐに一マス」であれば、その中間にナイトの跳び先があります。上の図の g1 と d4 も、e2 から見ればどちらもナイトの跳び先です。

同じことは、こちらの攻めにも使えます。相手の王とクイーンがこの位置関係で並んだときは、そこへ跳べるナイトがないかを探してください。

フォークの探しかた

盤の上でフォークを探すときは、次の順に見ていきます。

  1. 相手の駒のうち、価値の高いものを二つ選びます。王とクイーン、王とルーク、クイーンとルークなどの組み合わせです。
  2. その二つに同時に利くマスがあるかを探します。ナイトであれば跳び先、ビショップであれば同じ斜めの線、ルークであれば同じ列か同じ段です。
  3. そのマスに自分の駒を動かせるか、そして動かした先ですぐに取られないかを確かめます。

三つめを飛ばすと、フォークをかけたつもりで駒を一枚渡すことになります。二つの駒に利くマスと、そこへ安全に行けるマスは、別のものです。

レベル3から5で練習する

チェスのページを開き、強さを3から5にしてください。この範囲は、フォークの練習に向いています。

レベル3は2手先まで読みます。二手で完成するフォークであれば通ります。まずはここで、自分から仕掛けたときの感触をつかんでください。

レベル5は4手先まで読むため、単純なフォークはすべて見えています。ここで通らなくなったのであれば、仕掛けが一手足りていないということです。

レベル6以降は、AIのほうからフォークを仕掛けてきます。受ける側の練習は、そこから始まります。

レベル5に勝てるようになったら、次はピンに進んでください。フォークが二つの駒を同時に狙う技であるのに対し、ピンは相手の駒を一つ動けなくする技です。

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強さは11段階。勝てる相手から始められます。

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