ピンとスキュアー — 動けない駒を叩く
ピンとは何か
相手の駒Aの後ろに、もっと価値の高い相手の駒Bがあるなら、駒Aを取った後に駒Bを狙える形を作りましょう。この形を作ると、はさまれた駒Aは動きにくくなります。動けば後ろの価値の高い駒Bが取られてしまうためです。この形をピンといい、日本語では釘付けと訳します。
ピンをかけられるのは、直線的に相手の駒を取れるビショップ、ルーク、クイーンの三つだけです。ナイトとポーンは、線ではなく点で相手の駒を取るため、ピンをかけることができません。ピンの時には、線で動ける駒だけが相手に利く。少々しつこいかもしれませんが、これは本当に重要なことなので、口に出して覚えましょう。
ピンには二種類あります。後ろにいるのが王である場合と、王以外の駒である場合です。
後ろにいるのが王の場合(絶対ピン)
後ろにいるのが王である場合、はさまれた駒を動かす手は、そもそも指すことができません。チェスのルールでは、自分の王が取られる状態になる手は指せないと決まっているためです。これを絶対ピンといいます。
後ろにいるのが王以外の場合(相対ピン)
後ろにいるのがクイーンやルークである場合は、はさまれた駒を動かしても反則ではありません。ただし、動かせば後ろの駒を失うため、実際には動かしにくい状態になります。これを相対ピンといいます。
二つの違いは、次のようにまとめられます。絶対ピンでは、はさまれた駒を動かせません。相対ピンでは、動かすことはできますが、動かすと損をします。
ピンをかけただけでは、駒は取れません
ピンをかけた時点では、駒の数はまだ変わっていません。ピンが役に立つのは、動けなくなった駒に対して、こちらから攻め手を足したときです。
ピンは、相手から「逃げる」という選択肢を取り上げる技です。取り上げたうえで攻め手を足すところまでが、一組の手順になります。
ピンされた駒は、守りの役に立ちません
ピンにはもう一つ、見落とされやすい効果があります。ピンされた駒は、他のマスを守る役目を果たせなくなる、という点です。
たとえば、あるナイトが e5 のマスを守っているとします。しかし、そのナイトが絶対ピンにかかっていれば、e5 に相手の駒が来ても取り返すことができません。取り返す手は、自分の王が取られる手になるため、指せないからです。
前の記事で、あるマスに利いている駒の枚数を数える方法を説明しました。そのとき、数えた駒がピンにかかっていないかどうかを、あわせて確かめてください。ピンされている駒は、枚数に入れることができません。
スキュアーは、ピンと前後が逆の形です
ピンは、はさまれた駒より後ろの駒のほうが価値が高い形でした。スキュアーは、前にいる駒のほうが価値が高い形です。日本語では串刺しと訳します。
前にいる駒が王である場合、王手を無視することはできないため、必ず動かすことになります。したがってスキュアーは、王手をかけられる形のときに最も確実に成立します。
ピンをかけられたときの外しかた
ピンをかけられた側にも、対応する方法があります。次の四つを順に検討してください。
- 後ろにいる駒(多くの場合は王)を、その線から外します。線から出てしまえばピンは消えます。
- あいだにもう一枚、別の駒を入れます。ただし、入れた駒も動けなくなるため、こちらの守りが実質的に一枚減ることになります。
- ピンをかけている駒を取るか、追い払います。ポーンで攻めて移動させるのが分かりやすい方法です。
- ピンされた駒に守りを足します。取られても取り返せる状態であれば、相手は踏み込めません。
このほかに、ピンを外さずに、相手にそれより大きな問題を作るという方法もあります。ただしこれは、局面全体を読み切れることが前提になるため、第4段以降の内容になります。
レベル4から6で練習する
チェスのページを開き、強さを4から6にしてください。
レベル4と5は、自分からピンをかける練習に向いています。この範囲で試すと、ピンをかけただけでは駒が取れないこと、攻め手を足して初めて成立することが分かります。
レベル6からは、AIのほうからピンをかけてきます。ここで初めて、ピンされている駒を守りの枚数に数えてしまう、という間違いが出るようになります。守りを数えるときは、その駒が実際に動けるかどうかまで確かめてください。
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強さは11段階。勝てる相手から始められます。
